Life never gets boring

トライアスロン、トレラン、マラソン、色々やってます。 マルチに活躍できるアスリートを目指し奮闘中。

IRONMAN カザフスタン 後編

現地に着き、順調に調整していった。

ただ少し、心拍数がいつもより高めなのは気になっていた。

 

そして当日、睡眠中のOura ringの結果を見ると

ここ最近では最悪の結果が出ていた。

 

とりあえず今はそんなことは考えても仕方ないのでウォーミングアップしに走り行くがキロ7分でも130といつもより20ぐらい高くびっくりした。

 

ベストパフォーマンスを発揮するのは難しいかなと思ったが

とにかく今の全力を出そう。

そう腹に括った。

 

そしてスタート。

スイムは練習した成果が出せず、最初から体の動きが悪かった。

一周目を終えてスイムアップしたら体はヘトヘト。

もうリタイアしたいとすら思った。

そして絶望感を感じつつ、スイムアップ。

1時間15分

想定より10分遅かった。

しかしとにかく焦らずバイクに進む。

 

バイクは

最初の90kmまでは目標パワーのAve200Wを維持でき良かったが、やはり乳酸が溜まるのが早く、ここからとにかく騙し騙しで

パワーが出せない分体を小さくし省エネで行くことに。

最後の方はもうカスみたいなパワーしか出てなかったが追い風の影響もあり、大幅に失速はしなかった。

なんとかろうじてバイクは終了。

バイクが終わった時点でもうほぼ全てのパワーを使い果たしていて、頼むからランで脚が動いてくれと少し泣きながら願ってしまった。

この時点でバイクラックには同じエイジの選手のバイクが二台かかっていたので今自分は3位なのかと想定した。

 

ランが始まると

意外と脚が動いて、フラットなコースの影響もあり、キロ4:30で7kmぐらいまで行けた。10kmを4周するコース。一周目で同じエイジの選手とすれ違い、この時点で2キロ差、約10分、、もしかしたら行けるなと思い始める。とにかく自分が潰れないように、少し減速するが、4:40ぐらいで巡航。そしてすれ違う時は自分のゼッケンを隠して同じエイジグルーパーが追ってきているとこを気付かれないように心理戦も適用した。

 

2周目少し差が縮まってきている!

そして2人ともかなりきつそうな顔をしている。

きたきたー!と思い始める!

これがロングの面白いとこやなと元気が出る。

 

3周目、完全に捉える。

一気に抜かすが、この時もゼッケンを隠して抜かしたことをバレないようにする。

自分だけパワーが出る作戦。笑

この時点で25kmぐらい。自分もしんどくなってるから、エイドでは休憩し、バレないように抜かした選手がエイドに来る前に出発する作戦を取る。

 

自分も消化不良でお腹にガスが溜まってかなり痛くなっている。

水、補給食は一気で食べれない。食べたらすぐに腹痛がくる。

とにかくジェルを握りしめて、1キロごとに少しずつ舐める。

なんとか最後までもってくれと祈るばかりだった。

 

そして

ラスト10kmは自分も瀕死の状態だった

なんとかゴール。

とにかく頭の中でここまで来て不調でしたはかっこ悪し、ハワイハワイと頭の中で唱えて最後まで走り切った。

 

ゴール後は倒れ込んだ。

 

3種目ともおそらく8割ぐらいのパワーしか出せず、そこは悔しかったが、作戦と根性で1位を獲れたと思う。

 

産まれて初めて大きな夢を叶えた。

いつも本気で目指す夢はあと少しで叶わず、自分は夢なんて叶わない星に産まれたと思っていた。

だから初めて夢を叶えて少しビックリしているが、こういう気持ちなんやと実感した。

 

さて次はいよいよ世界選手権。

 

自分はトライアスロンに出会った舞台に戻れる。

 

すごい楽しみで仕方がない!

 

IRONMAN カザフスタン 前編

今から遡ること1年前。

当時付き合っていた彼女と別れ、ただただ衰弱していた。

2週間で7キロほど痩せて、60kgを切る勢いだった。

食欲も湧かず、トライアスロンなどする気力なんて全くなかった。

 

でもなんというか、とにかく何かに没頭し、気持ちを切り替えたいと思っていた。

それは自分にはトライアスロンしかなかった。

 

そのあたりから少し体を動かし、ジョギングレベルまでは出来るようになった。

そして漠然と翌年のコナを目指したいと思い始める。

もうトライアスロンを初めて6年だし、そろそろ出たいと思っていた。

そして家族を、特におばあちゃんをコナに連れて行けたらどれだけ素晴らしいか。

それを目標にトレーニングを始めた。

 

そうすると気分を少し晴れ、トレーニングできるありがたさを感じた。

その勢いで猛烈にトレーニングした。

特にバイク。

自宅でzwiftでひたすら漕いだ。3時間以上。。

そのせいで後々飽きてしまったが。。

 

そして半年後の3月頃にどのアイアンマンを出るか探していたら、カザフスタンが出てきた。そんな秘境は無理だろうと最初思ったが、その時のエントリーリストを見るとさほど強い選手が出ていない。

自分にチャンスがあると思った。

 

フライトを調べても意外と行けそう。

 

気分は完全にカザフスタンに決まった。

 

そこから正式に自分のROAD TO KONAが始まり、

 

ここに人生を賭けると決めた。

 

それからは人生で1番トレーニングし、順調に計画したプランをこなしていく。

 

出発前は完全にやり切った自信を持っていた。

 

StM 140 復路編

朝6時にスタートして70km  

おばあちゃん家に着いた次点で

13時間が経過していた。

 

予想外の暑さで

正直クタクタになっていた。

 

「情けねー。 今日で今年のエネルギー全部出して燃え尽きるつもりやったのに」

 

帰れるんか?

やめるんか?

 

そう思っていると

「車で帰る?」

そう家族に聞かれた。

 

いや、ここで辞めるのはかっこ悪すぎる。

絶対後悔するわ。

 

そう思った自分は

予定を変更し直した。

 

この状態で、もう一度六甲縦走は危ない。

 

何かあって、家族に迷惑をかけられない。

 

そして思い付いたのが

 

「吹田まで50km走って帰ろう。」

 

まるで何かの番組のタイトルのようになったが

これなら安全やし

歩いても完走できる。

 

なんとしても何かやり遂げたかった自分は、これだけは絶対完走するという想いに。

 

約1時間半おばあちゃん家で休み、

20時半出発。

 

中学生のいとこも

彼の途中の家まで26km一緒に行くことに。

 

この距離は

もちろん中学生にとったら果てしない距離。

しかしまだ彼にとったら未知の世界。

まるで夜の冒険に行くように意気揚々としていた。

 

まずは一緒に10kmまで走った。

 

すごい、中学生なのにここまで走れたら大したもの。

 

しかし、それからは彼にとって地獄だった。

残り16km....

 

「気分が悪い」

「足首が痛い」

 

段々とそういう言葉が出てきた。

「もうやめる? お母さん呼ぼうか?」

 

でも彼は頑張りたいと一点張り。

 

彼の勇気に自分も元気をもらって

少しずつ歩きながら進んだ。

 

そして遂に、彼の家まで残り6キロの王子公園まで来た。

ここで一緒に座って休憩した。

 

しかし彼がジェルを飲んだ瞬間、吐いてしまった。やはりもう限界に近かったよう。

 

まだ頑張りたそうな雰囲気だったけど

もう中学生にこれ以上無理させれないと思い

タクシーを呼んだ。

 

いとことはここで別れた。

トータル20キロ。

よく頑張った。

(翌日、友達から称賛されたと連絡があった。自分としてもこれは嬉しかった)

 

さて、自分は

残り30kmのロード。

 

もうこれまで90km走ってきてるから

脚は棒。ガッチガチ。

 

時間も夜中の0時に。

 

ただ止まらず進めば、絶対に家まで辿り着ける。

そう信じて、無心に進んだ。

 

500m走り、500m歩きをひたすら繰り返した。

そして、

残り10km地点まで、なんとか辿り着いた。

 

「いよいよ10kmや!!

10kmなんかいつも走る距離やろ!」

 

そう思っても、足はなまりのように重い。

 

コンビニで水を買って

足に掛けて冷やす。

 

そして、頑張って

「新 ラン&ウォーク」を繰り返す。

 

そしていよいよ「吹田市」の標識が!

 

安堵した。。

 

そこから振り返ると

六甲山が一望できた。

 

「端から端まで走ってんなぁ」

感慨深くなった。

少し自分が誇らしくなった。

 

「よし、家まで残り3キロ」

 

この距離は、坂道以外は結構走れた。

 

もう24時間近く歩いてるから

足裏の筋肉が痛くなった。

 

遂に家が見えた時

父親とココロが待っていてくれた。

嬉しくて少し泣きそうになった。

 

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そしていよいよゴール。

 

長かった。

 

120km

 

23時間30分

 

自分には経験したことない長さだった。

 

 

それと同時に

諦めないでよかった。

少しずつ進めば必ず着く。

 

もう当分こういうことはしたくない。笑

 

でもコロナで大会が無くなっても

個人で、大会以上のものを作れると思った。

 

またいずれ、

もっと大きい挑戦をしよう。

 

 

StM 140 往路編

これをやると決めて1週間...

コロナの緊急事態宣言も終わったし

毎日ワクワクドキドキしてた。

 

この感覚が好き。

どんな世界が待っているんだろう。

どんな苦しさが待っているんだろう。

そして、どんな感動が待っているんだろう。

 

これがレースの醍醐味。

 

この感覚が好きだからレースに没頭していると言っても過言ではない。

 

そして前日、

パッキング中にザックに自作のゼッケンを付けた。

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胸に付けたら恥ずかしいから

小さくザックに付ける笑

 

旅の感覚がしてきた、、

 

後は寝るだけ。

 

でも緊張して

3時間ほどしか寝れなかった。

 

5時に起床して

6時スタート。

 

まずは 21kmのロード。

宝塚の登山口がある塩尾寺まで走る。

とにかくここで疲れないようにゆっくり走る。

 

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(ミラーの影響で脚が長く見えてます) 

 

2時間15分かけ、ようやく着いた。

まだ疲れてない。

調子も良い感じ。

 

そしてここから六甲縦走

須磨へ。

 

まずは六甲山頂へ。

1時間40分くらい。

かなり早かった。

飛ばしたつもりはなかったけど

ただ調子が良かった。

 

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(六甲山頂のトイレで発見した謎のダウンタウンのステッカー)

 

 

次に摩耶山へ。

約1時間。

 

着いた!

めちゃくちゃ暑かった。。

自宅から約42km  獲得標高1000m

5時間15分

 

フルマラソンの距離を、あれよあれよと言う間にこなした。

 

ちなみに

初めて出たフルマラソンは5年前。

ホノルルマラソン

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この時はノートレーニングっていうのもあって

4時間57分

ただただ地獄で、終わった後は1人で歩けずタクシーで帰るほど笑

 

この時から成長したなーと、少し感慨深くなった。

 

そして、ここで嬉しい助っ人!!

 

両親と愛犬のココロが来てくれた!

 

ここで、パンをもらったりシューズをトレイル用に履き替えた。

 

さて、

ここからはいよいよ六甲縦走の核心部へ。

 

400m程の小さな山が沢山ある。

いつもここで苦戦する。

 

とにかく摩耶山を下り

須磨へ向かい始める。

 

この日の最高気温は29度。

 

とにかく暑くて

だんだん熱中症気味になる。

 

ボーとして食欲が全然出ない。。

食べたら吐き出してしまいそう。

 

ほぼ走ることが出来ず、休憩を繰り返す。。

 

「情けないなー。」

 

なんとか須磨駅に着いた。

摩耶山から6時間も掛かってしまい、

大幅に予定より遅れた。

 

熱中症のせいで補給が全然出来ず

ダメージが大きすぎて

レースの復路が怪しくなる。

 

ここで父が待っててくれてザックを預ける。

 

自分は舞子のおばあちゃん家まで7km走る。

 

クタクタになったがようやく着いた。

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親戚やおばあちゃんが待ってくれた!

 

ここで、やっと往路は終了。

 

70km 獲得標高2700m

12時間45分

 

 

さて次回は、

いよいよ問題の?復路編!

StM 140 プロローグ

コロナの影響で、夏のレースが無くなり

もう今年は全ての大会が中止の雰囲気がしてきた。

 

何かやりきれない気持ちがあったから

「自分でレースを作って、そこに今年のエネルギーを全て注ごう」

そう考えた。

 

元々自分は1人で何か挑戦するのが好きで

いつも痛い目に合うけど

その分すごい達成感があった。

 

そこでまず考えたのは、100マイルレース⛰

100マイルレースとは、トレイルランナーなら憧れる100マイル(160km)山を走る大会

 

いつか挑戦したい距離....

自己最長は78km。

思い切って挑戦するか?

 

コースはやっぱり知ってる道がいいから

六甲縦走を2往復しようと思った。

 

六甲縦走とは宝塚〜須磨

44km 獲得標高2600m

 

これを2往復...

172km 獲得標高10400m  !?!?

いや無理やろ....

普通の100マイルレースよりキツイやん...

 

あきらめた。

今の自分には不可能 笑

 

少し現実を見て

自宅(吹田)から宝塚まで走り

そこから六甲縦走

須磨に下山して、そこから舞子のおばあちゃん家まで走ろう!

片道70km....

これを往復!!

 

そしたら140km 

 

自分にとったら最大限の挑戦。

 

やる気に満ち溢れた。

 

早速ロゴも作った。

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レース名は

 「StM 140」

 

Suita to Maiko 140km の略(笑)

 

さて、次回は

いよいよ挑戦編!